私は家にいる時間が長いので「送り出す」「出迎える」ということを
毎日毎日しながら暮らしています。
うちは門から玄関まで階段があります。これは普通に考えれば
「大変なこと」なのかもしれませんが、実は私はそこがとても
気に入っています。
たぶんそれは私が階段という形状からある種のストーリー性を感じている
からだと思います。
(またこの階段の場合、両側面が閉じていることでより外から内、
内から外の感覚が強められていると思います。)
そこを上がったりおりたりする姿は何かその人の時間の経過や方向性
を刻々と目で追っているようでなんだかとてもその人の時間がいとおしく
感じるのです。
送り出すときは自然に「がんばって!」という気持ちになりますし
帰って来たときは「おつかれさま!」という気持ちになります。
空間が人の感情を自然に導いている・・・とても興味深いです。
阪神間の人には山に住むのを良しとする気風があります。
それはもちろん夜景がきれいだからという理由も大きいと思いますが、
もっと根底には山という大きな空間に送り出されたり、
迎え入れられたりするのが心地良いからじゃないのかな?
という気がしています。
不便なのに心地いい・・・人間って面白いです。